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大井町物語 第十一話

大井町物語

大井町物語十一話

世の中は 三日見ぬ間に 桜かな

アトレ大井町で俳句の本を

皆さん、TBS系の「プレバト!!」という番組をご存知ですか。

 ダウンタウンの浜ちゃんの司会で、出演者たちが「俳句」や「生け花」、「水彩画」、「消しゴム彫刻」など、さまざまなジャンルの「お題」に挑戦して、専門家が「才能ナシ」、「凡人」、「才能アリ」をジャッジし、さらに「才能アリ」の人々が、特待生や名人を狙ってチャレンジする番組です。

 そのなかでも、一番白熱するのが「俳句」ですね。

 永世名人まで登りつめたのが、梅沢富美男、東国原英夫、村上健志、名人十段が藤本敏史、横尾渉、千原ジュニア、その他名人には、立川志らく、中田貴子、皆藤愛子、千賀健永、ミッツ・マングローブ、岩永徹也……

 いやあ、芸能人の「俳句」かあ、と思っていたら、そのレベルのあまりの高さには驚きますね。

 先日の番組では、「クーポン」というお題に、こんな句を詠んでいましたよ。

 帰省してゐる 周遊のついでかな(東国原英夫)

 

 学生時代、夏休みに帰省したくなかったけれど、周遊券を買って、故郷の近くを旅行した思い出を句にしたそうです。うまいもんですねえ。

 赤札の プードルを抱く 帰路夕焼(梅沢富美男)

 ペットショップで売れ残って特別割引の赤い札のプードルを買って家に戻る途中の夕焼けを描いたとか。さすが永世名人です。

 皆さんも「俳句」を詠んでみませんか。

 お題は、「大井町」なんて、どうでしょうか。

 そうそう、いま、この「プレバト!!」の俳句の講師、夏井いつき先生の本が売れているそうですよ。

「夏井いつきの世界――わかりやすい俳句の授業」、「おうちde俳句」、「夏井いつきの俳句道場」などなど。

 有隣堂アトレ大井町店で、興味のある方は、ぜひお求めください。

 ああ、言うの、忘れていました。この「プレバト!!」って、どういう意味か、おわかりですか?

「プレッシャーのかかるバトル」の略だそうですよ。念のため。

大井は江戸の桜の名所

さて、今回の「大井町物語」の主人公は、江戸中期の俳人、大島寥太(おおしま・りょうた)です。

 

 大島寥太という名をご存知の方は、かなり俳句通ですね。江戸時代の俳人でいまでも知られているのは、松尾芭蕉、小林一茶、与謝蕪村、向井去来、宝井其角、服部嵐雪ぐらいでしょうからねえ。

 寥太は、いまから三百年ほど前の享保年間に信濃国伊奈郡(現。長野県上伊那郡)で生まれ、幼児の時に家族とともに江戸に出ます。本名は、吉川平八。

 父親が幕府の御用縫物師をしていた関係で、江戸の文化にどっぷりと触れ、十五歳で当時「俳諧」と呼ばれていた「俳句」のおもしろさにはまります。そして、勝手に句集などを出していたのですが、きちんと一門に入って学ぼうと決心し、二十二歳の時に、桜井吏登(さくらいりとう)という俳人の弟子になります。

 この桜井吏登という人は、松尾芭蕉の弟子十哲のひとり、服部嵐雪の門人ですから、寥太は芭蕉のひ孫弟子にあたるわけです。

 

 梅一輪 一輪ほどの 暖かさ

 この句、聞いたことがありますか。これが服部嵐雪の有名な句ですね。

 嵐雪は、当然、松尾芭蕉の影響を受けています。寥太も、もちろん、まだ新人ながら、俳句の上では曽祖父にあたる芭蕉の句を、必死で勉強します。

 しかし、わからないことが多い。まあね、寥太にしてみたら、松尾芭蕉と言ったら、雲の上のまた、その上のえらーい人ですからねえ。

 でも、人間、高い目標を持つことはいいことですね。

 とにかく、芭蕉を研究し続けます。そして、一大決心をして、二十五歳の時に、芭蕉の『奥の細道』を見習って、東北への旅をはじめます。

 芭蕉が立ったと思われる同じ場所で、芭蕉の句を詠み直し、芭蕉のその時の気持ちを察してみる。その熱心さには、師匠の吏登も驚いたそうですよ。

 よく芸事の世界では、「学ぶ」のではなく、「マネぶ」ことが大切だと言われています。あの天才画家のピカソだって、若い頃は、美術館に通い、べラスケスとそっくり同じ絵を描いて勉強したんですから。

 江戸に戻った寥太は、修業を続け、やがて師匠から「三代目雪中庵」という代々続く俳句の名跡をいただき、旗本をはじめ、松代藩六代目藩主、真田幸弘をはじめ、諸国の大名たちを自分の弟子にします。その数、三千人と言いますから、すごいですよね。

 なんでも、大名に教えに行く時は、駕籠に乗り、句会は隅田川に屋形船を並べて行われたそうです。大出世ですね。

 世の中は 三日見ぬ間に 桜かな

 三日ほど外出しないでいたら、もう世の中は、あっという間に桜の季節で、人々は花見気分になっているよ。

これが、寥太の代表作です。

 わが町大井町一帯は、江戸時代、飛鳥山や上野、隅田川の堤、それに続く新吉原と並ぶ桜の名所だったんですねえ。

 その証拠に立会川駅から北へ五分、品川区東大井にある真言宗来福寺境内に大島寥太のこの句碑が残っています。

寥太没後、師匠の功績を後世に伝えるべく、弟子たちが当時、桜の名所として特に多くの人たちが集まり、花見でにぎわったこのお寺に建てた碑です。

 桜の季節に、一度、訪ねてみてあげてください。

 俳人大島寥太と言っても、いま、知っている方、少ないですからねえ。

 今日は、地味に「大井町と俳句」の話でした。

 またどこかでお会いしましょう。

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