矯正歯科クリニックでもお問合せの多い質問のひとつに、「矯正中にホワイトニングができるのか?」があります。歯列矯正にご興味がある方の中には、ご自身の口腔環境、さらには歯の白さなどにも関心が高い方が多い傾向があるようです。
やはり歯並びをキレイにするなら、一緒に「歯を白くしたい」と思うようになるのも自然な流れではないでしょうか。今回は歯列矯正中のホワイトニングの可否について解説いたします。
■歯列矯正中のホワイトニングについて
歯列矯正中のホワイトニングについては、各クリニックの歯科医の考えや技術にもよるので一概には言えませんが、ここでは一般論としてご紹介します。
歯並びの状況による
まず、歯列矯正を始めて間もない時期は、(個々の程度はありますが)歯と歯が重なっている箇所が複数生じていることが想定されます。重なり合っている箇所の面積が大きければ大きいほど、ホワイトニングの薬剤を塗ることが難しくなります。
また、重なり合っている箇所も薬剤が浸透しにくいので、ある程度歯並びが整い、重なり合う箇所がなくなった上でホワイトニングを受ける方が確実な効果を得られやすくなります。
歯並びには個々のケースがあり。始める前は医師や歯科衛生士に相談
歯並びや口腔内の状態によってできる・できないが分かれるホワイトニングは、理想的には歯並びが十分整った状態からの方が基本的にはおすすめです。
歯列矯正のスケジュールとも照らし合わせつつ、ホワイトニングを始めるタイミングを担当の歯科医や歯科衛生士に相談してみるのが一番です。
歯列矯正中、痛みがひどい時は避けた方が良い
もし歯列矯正中にホワイトニングができることになったとしても、歯列矯正治療中に痛みを感じている時期は避けた方が良いでしょう。
歯が移動する際には個人差はあるものの、多少の痛みが生じます。この痛みはブラケット装置を装着してから数日間と定期的な調整後、またマウスピース矯正なら新しいものに取り換えた後の数日間など、歯に新しい力を加えるタイミングで起こります。
この時期にホワイトニング薬剤を使用すると、普段であれば沁みない方であっても刺激を感じやすくなるため、ホワイトニング中ずっと沁み続けることになるのでストレスを感じる可能性があります。
そのため、普段から知覚過敏な方や痛みそのものに敏感だという自覚がある方は、歯列矯正中のホワイトニングは避けた方が良いかもしれません。様子を見ながら行うようにしたいものです。万が一ホワイトニングを一旦ストップしたとしても、また再開できるので安心してください。
■歯列矯正中のホワイトニングがNGなケース
日々忙しい女性の方々にとって、歯列矯正とホワイトニングが一緒にできるのは願ってもないことです。何度もクリニックに足を運ぶよりも、同時進行できれば歯列矯正の卒業とともにキレイで完璧な歯を得られると思うはずです。
ただ、現在すべての歯列矯正法でホワイトニングは対応できていません。
それではどんな歯列矯正法だとホワイトニングができないのかも見ていきましょう。
表側矯正はNG
歯列矯正中にホワイトニングができるかどうかは、歯の表側にブラケットを装着しているかどうかによります。一方、歯の裏側にブラケットを装着して歯を動かす「裏側矯正(舌側矯正)」や、特殊なプラスチック製のマウスピースで歯並びを整える「マウスピース矯正」ならホワイトニングも同時に受けることは可能です。(※実施するクリニックにもよって判断が異なることはあります。)
前述した通り、ホワイトニングでは歯を白くするための薬剤を歯の表面に塗布し、歯の黄ばみを取るため、表側にブラケットが装着されているとその箇所に薬剤が付かず、ホワイトニングの十分な効果を得られないことになります。
前側矯正をしている方やご検討中の方は、矯正治療終了後にホワイトニングを行うようにスケジュールを組んでみてはいかがでしょうか。
■裏側矯正(舌側矯正)の方ができるホワイトニング
表側矯正の方は治療中のホワイトニングが難しいとお伝えしました。ここからはそのほかの歯列矯正法で治療中の方向けのホワイトニング方法をご紹介します。
裏側矯正中の方におすすめ!オフィスホワイトニング
裏側矯正中の方で歯の重なりが解消され、ある程度歯並びが整ったら、クリニックで受けられるホワイトニングがあります。
「オフィスホワイトニング」というもので、歯の表面に薬剤を塗布した後に光を照射し、薬剤の効果を高める施術です。(※光照射のないタイプもあります。)
オフィスホワイトニングで使用される薬剤は、自宅でできる市販のホームホワイトニングよりも濃度が高いので、一回の施術で十分に歯を白くすることが可能となる点が最大のメリットとなります。
オフィスホワイトニングは、歯科衛生士が歯の色味をチェックしてくれ、適切な白さを提案してくれるので、歯の黄ばみをしっかりと取れつつ、患者さんご自身にもっとも馴染みやすいカラーで調節してくれます。
■マウスピース矯正の方ができるホワイトニング
ブラケットとワイヤーを装着しないマウスピース矯正の方は、元々大幅な歯並びの矯正というよりは、歯の一部分の位置を整えるための調整で選択されることが多い治療法です。
歯と歯の重なる箇所もあまり見られないので、すぐにホワイトニングをすることが可能なケースも多くなります。そんなマウスピース矯正の方向けのホワイトニング方法をご紹介します。
マウスピース矯正中におすすめ!オフィスホワイトニング
マウスピース矯正の方は、裏側矯正の方と同様、クリニックで受けられるオフィスホワイトニングがおすすめです。一回の施術で確実な白さになるので、歯の黄ばみが気になる方は検討してみるのもひとつです。
マウスピース矯正中なら、ホームホワイトニングもおすすめ
もう一つの方法として、マウスピースを使って行う「ホームホワイトニング」があります。
これは、マウスピースにホワイトニングジェルを注入した後、歯にはめて所定の時間ジェルを浸透させることで、歯の黄ばみを分解する方法です。
ホワイトニングで使用するマウスピースは歯列矯正用でも可能なので、歯並びを整えながらホワイトニングまでできるので、同時並行する方は多いようです。
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングのように1回で効果を実感できるものではありませんが、なんといってもお手軽にできるので自分のペースで進められるというメリットがあります。
目視で白さを実感できるようになるためには、装着期間の長さにもよります。毎日決められた時間装着して、約2週間程度で効果を感じる方が多いようです。
■ホワイトニング中に注意したいことは?
歯列矯正法の種類によっては、ホワイトニングが可能であるということをお伝えしました。
また、矯正治療に伴う痛みが生じている時は無理をせずに、治療後に行ってほしい旨も合わせてお伝えしました。
最後は歯のホワイトニングに伴うそのほかの注意点についてご紹介します。
①オフィスホワイトニング中に沁みたら、即座に対応してもらえるか?
歯列矯正クリニックでは、ホワイトニングをメニューに入れているところもあります。経験豊富で、途中のトラブルにもすぐに対応してもらえるかどうかを確認し、納得の上で受けるようにしましょう。
②18歳未満はホワイトニングができないことも
歯列矯正クリニックで使用するホワイトニングの薬剤は、濃度が高く刺激も強いため、18歳未満の方に使用すると歯根の成長を阻害するおそれがあります。そのため、クリニックによっては「18歳未満施術不可」となっているところもあります。
■まとめ
今回は歯列矯正中のホワイトニングの可否について解説いたしました。
このように歯列矯正法の種類にもよること、歯並びの状態にもよることなど諸々のこともあることから、一般的にホワイトニングを行うベストタイミングとしては、「歯列矯正終了後」がおすすめではあります。
とはいえ、現代の女性はお忙しい方が多いのでお気持ちもよく理解できます。ですので、もし「同時にやりたい」「早くキレイになりたい」ということであれば、信頼できるクリニックの歯科医にその旨を相談してみてはいかがでしょうか。
品川区にも同時にできる歯列矯正クリニックはありますので、ぜひご希望が叶うところを見つけてくださいね。