矯正中に顎が痛いときは、装置や噛み合わせの変化が関係する場合もありますが、自己判断で様子を見続けず、まず矯正治療を担当する歯科医師へ相談してください。顎の痛みには顎関節症、食いしばり・歯ぎしり、歯や歯ぐきの炎症、外傷など複数の原因があり、矯正だけが原因とは限りません。口が開けにくい、顎が動かない、腫れや発熱があるなどの場合は、早めの受診が必要です。
矯正中の顎の痛みは、噛み合わせの変化だけで決めつけないことが大切です
歯列矯正では、歯を少しずつ動かす過程で上下の歯の当たり方が変化します。そのため、一時的に噛みやすさが変わったり、特定の歯だけが先に当たるように感じたりすることがあります。
こうした変化がある時期に、顎の筋肉や顎関節に負担がかかり、違和感や痛みにつながることはあります。ただし、痛みがあれば「矯正の途中だから仕方がない」とは判断できません。痛みの部位、強さ、口の開けにくさ、音の有無などを確認し、必要に応じて装置や噛み合わせの状態を診てもらうことが重要です。
顎が痛いときに考えられる主な原因
顎の痛みにはさまざまな原因があり、複数の要因が重なっていることもあります。
顎関節や顎の筋肉への負担
耳の前あたりにある顎関節や、頬・こめかみ周辺の筋肉に負担がかかると、口を開け閉めしたときの痛み、顎のだるさ、口の開けにくさなどが現れることがあります。口を大きく開ける習慣、硬い物を噛むこと、長時間の会話などがきっかけになる場合もあります。
食いしばり・歯ぎしり
無意識の食いしばりや歯ぎしりは、歯だけでなく顎の筋肉や顎関節にも負担をかけます。朝起きたときに顎が疲れている、こめかみが重い、歯が強く当たる感じがある場合は、食いしばりが関与している可能性があります。
ただし、食いしばりの背景には生活習慣、睡眠、ストレス、噛み合わせなどさまざまな要素が関わることがあります。矯正中であっても、症状に応じた診察と対処が必要です。
歯や歯ぐきの炎症
虫歯、歯周病、親知らず周囲の炎症などによる痛みを、顎の痛みとして感じることがあります。特定の歯を噛むと痛い、歯ぐきが腫れている、熱い物や冷たい物で強くしみるといった症状がある場合は、歯や歯ぐきの状態も確認が必要です。
外傷や別の病気による痛み
顔や顎をぶつけた後に痛みが出た場合、関節や骨への影響を確認する必要があります。また、耳・鼻・のどの病気、神経痛などが顎周辺の痛みとして現れることもあります。痛みの原因を矯正装置だけと考えず、症状に応じた医療機関への相談が大切です。
噛み合わせの変化と顎関節の関係
矯正治療中は噛み合わせが完成に向けて変化するため、一時的に噛みづらさを感じることがあります。しかし、噛み合わせの変化だけで顎関節の痛みの原因を断定することはできません。
矯正装置の調整後や新しいマウスピース型矯正装置へ交換した後には、歯の接触する位置が変わったように感じることがあります。歯の移動途中では、奥歯が当たりにくい、前歯が先に当たるなどの感覚が出ることもあります。
一方で、顎関節の症状には、顎の筋肉の緊張、食いしばり、関節への負担、日常生活での癖などが関係することがあります。矯正治療中の噛み合わせの違和感と、顎の痛みを同じ原因と決めつけず、担当医による確認を受けましょう。
顎が痛いときに自己判断でしないほうがよいこと
痛みがあるときは、症状を悪化させないために次のような自己判断を避けてください。
- 顎を何度も鳴らす、無理に大きく開ける
- 硬い物、するめ、ガムなどを長時間噛む
- 痛みを我慢して食いしばる
- ゴムかけの方法や時間を自分で変更する
- ワイヤーや装置を自分で曲げたり外したりする
- マウスピース型矯正装置の装着方法・交換時期を独断で変える
矯正用のゴムかけやマウスピースの使用については、症状に応じて指示が変わることがあります。痛みが出た場合は中断や変更を自分で決めるのではなく、まず担当する歯科医師へ連絡し、指示を確認してください。
自宅でできる対処と記録しておきたいこと
強い痛みや緊急性が疑われる症状がなければ、顎を休ませるために柔らかい食事を選び、大きく口を開ける動作や硬い物を噛むことを控える方法があります。痛む場所を強く押したり、無理にストレッチしたりすることは避けましょう。
受診・相談時に役立つため、次の点を記録しておくとよいでしょう。
- いつから痛むのか
- 右側・左側・両側のどこが痛むのか
- 口を開けるとき、噛むとき、安静時のどの場面で痛むのか
- 顎の音、口の開けにくさ、顎が引っかかる感じがあるか
- 装置の調整、新しいマウスピースへの交換、ゴムかけの開始などとの時期的な関係
- 腫れ、発熱、歯の痛み、外傷などがあるか
市販の痛み止めを使用する場合も、用法・用量を守り、服用中の薬や持病がある方は薬剤師または医師・歯科医師に確認してください。
早めに受診したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、次回の矯正予約まで待たず、早めに担当の歯科医院へ連絡してください。
- 痛みが強い、または徐々に悪化している
- 口が開けにくい、口を閉じにくい、顎が動かない
- 顎が外れたように感じる
- 顎や歯ぐき、顔が腫れている
- 発熱、強いだるさ、飲み込みにくさを伴う
- 転倒や打撲など、顎をぶつけた後に痛みがある
- 噛み合わせが急に大きく変わったように感じる
夜間や休診日などで、強い腫れ、発熱、口が開かない、外傷後の強い痛みなどがある場合は、地域の救急相談窓口や救急医療機関への相談も検討してください。
矯正中の顎の痛みは、まず担当医へ相談を
矯正中に顎が痛む場合は、装置の状態、歯の当たり方、食いしばりの有無、歯や歯ぐきの状態などを総合的に確認する必要があります。必要に応じて、口腔外科など別の診療科への相談が勧められることもあります。矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用についても、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
大井町矯正歯科は、大井町駅西口から徒歩4分の矯正歯科医院です。矯正治療中に顎の痛みや噛み合わせの違和感がある場合は、症状を我慢せず、治療を担当する歯科医師へご相談ください。診療室はすべて完全個室で、患者さんのお悩みや生活スタイルを伺いながら治療の提案を行っています。
矯正治療に関する一般的な疑問は、よくある質問もご参照ください。
よくある質問
矯正中に顎が痛いのは、矯正装置が原因ですか?
矯正中の噛み合わせの変化や装置が関係することはありますが、顎関節症、食いしばり・歯ぎしり、歯や歯ぐきの炎症など別の原因も考えられます。矯正だけが原因と決めつけず、担当の歯科医師に相談してください。
矯正中に顎が痛いとき、ゴムかけは続けてもよいですか?
ゴムかけの中断や使用時間の変更は自己判断で行わず、まず担当の歯科医師へ確認してください。痛みの原因や症状によって対応が異なるため、個別の指示を受けることが大切です。
矯正中に口が開けにくいときは受診すべきですか?
口が開けにくい、顎が引っかかる、痛みが強い、顎が動かないといった症状がある場合は、次回予約を待たずに歯科医院へ連絡してください。必要に応じて口腔外科などへの受診が勧められることがあります。
噛み合わせが変わると顎関節が痛くなりますか?
矯正治療中は歯の移動に伴って一時的に噛み合わせの感覚が変化することがありますが、それだけで顎関節の痛みの原因とは断定できません。食いしばりや顎の筋肉の緊張なども含めて確認が必要です。
顎の痛みがあるときに自宅でできることはありますか?
強い症状がなければ、硬い物を噛むことや大きく口を開けることを控え、顎を休ませるようにしてください。ただし、腫れ、発熱、強い痛み、口が開かないなどがある場合は、セルフケアだけで様子を見ず早めに受診してください。