食いしばりの原因は一つではなく、日中は緊張・集中・姿勢などによる無意識の歯の接触、睡眠中は睡眠中の顎の筋肉活動など、複数の要因が関わると考えられています。ストレスは背景の一つになり得ますが、ストレスだけが原因とは限りません。
歯のすり減り、詰め物や被せ物の破損、顎の痛み、起床時の疲労感などがある場合は、食いしばりが関係している可能性があります。気になる症状が続くときは、自己判断で済ませず歯科へ相談しましょう。
食いしばりとは
食いしばりとは、上下の歯を強く噛み合わせた状態が続くことです。日中に無意識で行う場合と、寝ている間に起こる場合があります。歯を横方向にこすり合わせる「歯ぎしり」と同時に起こることもありますが、音が出ない食いしばりは本人や家族が気づきにくいことがあります。
本来、食事や会話をしていない安静時には、上下の歯はわずかに離れている状態が一般的です。仕事、スマートフォンの操作、運転、運動などに集中しているときに、歯を接触させ続けている場合は、日中の食いしばりが習慣化している可能性があります。
食いしばりの原因は一つではありません
食いしばりは、精神的な緊張だけでなく、生活習慣、顎や歯の状態、睡眠環境などが重なって起こることがあります。原因を一つに決めつけず、いつ・どのような場面で症状が出るかを確認することが大切です。
日中の食いしばりに関わること
日中の食いしばりでは、仕事や勉強中の集中、緊張、不安、急いでいるときの焦りなどがきっかけになることがあります。また、前かがみの姿勢、長時間のパソコン作業、スマートフォンの操作中に首や肩へ負担がかかり、顎周囲の筋肉が緊張することもあります。
「歯を噛みしめている自覚はないが、気づくと上下の歯が触れている」という状態も見逃されやすいサインです。日中の食いしばりは、意識して歯を離す習慣づくりが対策の一つになる場合があります。
寝ている間の食いしばりに関わること
寝ている間の食いしばり・歯ぎしりは、睡眠中に生じる無意識の筋肉活動と関連すると考えられています。睡眠の質の変化、疲労、飲酒、喫煙、服薬、生活リズムなどが影響することもありますが、個人差が大きく、原因を特定できないこともあります。
いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された、日中の強い眠気があるといった場合は、睡眠に関する病気が背景にある可能性もあります。歯科での相談に加え、必要に応じて医科の受診先について相談することが大切です。
日中と睡眠中で異なる食いしばりのサイン
日中に気づきやすいサイン
- パソコン作業、運転、家事、スマートフォン操作中に歯を噛み合わせている
- 集中した後に顎やこめかみが疲れる
- 頬の内側や舌に歯の跡がついている
- 肩や首のこわばりとともに、顎周囲の疲れを感じる
- 口を閉じている間も、上下の歯が接触していることが多い
日中のサインは、自分で観察しやすい点が特徴です。「歯を離す」と書いた付箋やスマートフォンの通知などをきっかけに、上下の歯が触れていないか確認してみる方法もあります。
寝ている間に疑われるサイン
- 家族から歯ぎしりの音を指摘された
- 朝起きたときに顎、頬、こめかみがだるい
- 起床時に頭が重い、頭痛がある
- 歯がすり減った、欠けた、しみるようになった
- 詰め物や被せ物が外れたり、割れたりすることがある
- 朝に口が開けにくい、顎を動かしにくい
睡眠中の食いしばりは自覚しにくいため、歯の状態や朝の症状が気づくきっかけになることがあります。ただし、これらの症状は食いしばり以外の原因でも生じるため、症状だけで断定することはできません。
歯の食いしばりが歯や顎に与える影響
強い力が繰り返し加わると、歯の表面がすり減る、歯に細かなひびが入る、詰め物・被せ物が破損するなどの負担につながることがあります。冷たいものがしみる、噛むと痛いといった症状が出る場合もあります。
また、顎の関節や咀嚼筋に負担がかかると、口を開けにくい、開閉時に痛みや音がある、顎周囲が疲れるといった顎関節症にみられる症状につながることがあります。顎の痛みが続く、口が開きにくい、顎が動かなくなった場合は、早めに歯科へ相談してください。
歯並びや噛み合わせの状態によっては、特定の歯に力が集中していることもあります。ただし、歯並びだけが食いしばりの原因とは限らず、矯正治療を行えば食いしばりがなくなると一概にはいえません。歯並び、噛み合わせ、歯や顎への負担を分けて診断することが重要です。
食いしばりで歯科に相談する目安
歯のすり減りや破損、顎の痛み、朝の顎の疲れ、繰り返す頭痛などがある場合は、歯科で状態を確認する目安です。痛みが強い場合や、急に口が開けにくくなった場合は、早めの受診をおすすめします。
歯科では、歯のすり減りや欠け、詰め物・被せ物の状態、歯ぐき、噛み合わせ、顎関節や顎周囲の筋肉の状態などを確認します。そのうえで、日中の歯の接触習慣への対応、歯や顎を保護するための装置、噛み合わせや矯正治療の検討など、症状と診断に応じた方法を考えます。
食いしばり・歯ぎしりへの対応は一律ではありません。マウスピースを含む装置が適するかどうかも、歯や歯ぐき、噛み合わせ、症状によって異なります。市販品を使用する前にも、歯科で相談するとよいでしょう。
大井町矯正歯科でご相談いただけること
大井町矯正歯科は、大井町駅西口から徒歩4分の矯正歯科医院です。食いしばりに伴う歯並びや噛み合わせへの不安、矯正治療中の噛みしめ、歯や顎への負担についてご相談いただけます。
当院では、カウンセリングを重視し、お悩みや生活スタイルを伺ったうえでご提案します。必要に応じて、セファロや口腔内スキャナーなどを用いた診断にも対応しています。診療室はすべて完全個室です。
また、当院では食いしばり・歯ぎしりなど歯科領域を対象としたボツリヌストキシン治療についても、診察に基づいて適否を判断します。ボツリヌストキシン治療はすべての方に適するものではなく、効果や副作用には個人差があります。食いしばりの背景や歯・顎の状態に応じて、複数の対応方法を検討することが大切です。
小田麻衣子院長は日本矯正歯科学会認定医、日本ボツリヌス協会認定医です。大井町・品川周辺で、歯の食いしばりや噛み合わせについて気になることがある方は、ご相談ください。
よくある質問
食いしばりの主な原因はストレスですか?
ストレスや緊張は食いしばりに関わることがありますが、唯一の原因ではありません。日中の集中や姿勢、睡眠中の筋肉活動、生活習慣、噛み合わせの状態など、複数の要因が関係することがあります。
日中の食いしばりにはどのように気づけますか?
仕事中やスマートフォン操作中などに、上下の歯が触れ続けていないか確認することが目安になります。顎やこめかみの疲れ、頬や舌につく歯の跡も、日中の食いしばりを疑うきっかけになります。
寝ている間の食いしばりはどうやって分かりますか?
家族から歯ぎしりの音を指摘された場合のほか、朝の顎のだるさ、起床時の頭痛、歯のすり減りや欠け、詰め物・被せ物の破損などが手がかりになります。症状だけでは断定できないため、歯科で確認することが大切です。
食いしばりを放置するとどうなりますか?
食いしばりが続くと、歯のすり減り、ひび、知覚過敏、詰め物・被せ物の破損、顎や咀嚼筋への負担につながることがあります。痛みや口の開けにくさがある場合は、早めに歯科へ相談してください。
食いしばりは矯正治療で改善しますか?
歯並びや噛み合わせを整えることで特定の歯への負担を見直せる場合がありますが、矯正治療だけで食いしばりがなくなるとは一概にいえません。食いしばりの背景と歯・顎の状態を確認し、診断に応じた対応を検討します。